
等級を賢く使って節約する!
世界一複雑とも言われる日本の自動車保険制度。
その中でも特にわかりにくいのが「等級制度」です。
事故を起こさないドライバーほど保険料が安くなるこの仕組みは、近年の制度変更(事故あり等級の導入)でさらに理解しづらくなった印象があります。
しかし等級を正しく理解すれば大きく保険料を節約することも可能であり、自動車保険(任意保険)に加入している方ならぜひ理解しておきたいところです。
ここでは等級制度とは何かを最大限わかりやすく説明し、その意味となるべく節約するための3つのワザについて述べていきます。
等級制度=無事故を続けるほど保険料が安くなる仕組み!

まず等級とはどんな意味かというと、安全運転を続けているドライバーのレベルと考えてください。
初めて自動車保険に加入するドライバーは6等級から始まり、無事故(あるいは事故を起こしても保険を使わない)を1年続けるごとに7等級、8等級とランクアップしていきます。
ドラクエのレベル上げのようなイメージですね。
等級が上がるごとに自動車保険料の割引率も上がり、最高ランクの20等級になると約63%とかなりの割引が受けられます。
逆に事故を起こして保険金支払を受けると等級は1回あたり3等級ダウンして、さらに3年間は「事故あり等級」というより厳しい割引率(あるいは割増)が適用されることとなります。
最低ランクの1等級になってしまうと、損保会社によっては自動車保険の更新を断られるケースも出てきますので注意が必要です。
等級ごとの割引率の目安
等級 | 無事故 | 事故あり |
---|---|---|
20等級 | 63%引 | 44%引 |
19等級 | 55%引 | 42%引 |
18等級 | 54%引 | 40%引 |
17等級 | 53%引 | 38%引 |
16等級 | 52%引 | 36%引 |
15等級 | 51%引 | 33%引 |
14等級 | 50%引 | 31%引 |
13等級 | 49%引 | 29%引 |
12等級 | 48%引 | 27%引 |
11等級 | 47%引 | 25%引 |
10等級 | 45%引 | 23%引 |
9等級 | 43%引 | 22%引 |
8等級 | 40%引 | 21%引 |
7等級 | 30%引 | 20%引 |
6等級 | 19%引 | |
5等級 | 13%引 | |
4等級 | 2%引 | |
3等級 | 12%増 | |
2等級 | 28%増 | |
1等級 | 64%増 |
また、等級は契約している損保会社を変えても引き継がれます。
例えば東京海上日動からソニー損保に自動車保険を乗り換えても、東京海上日動で契約していた時の等級がそのままソニー損保に引き継がれますので、割引率を維持することが可能です。
逆に「今の損保会社との契約中に何度も事故を起こして1等級まで下がってしまったので、他社で契約し直してすぐ6等級から始めたい」と考えても必ずバレますので実行は不可能です(各社共通のデータベースで情報管理されています)。
賢く安く等級制度を使う3つのワザ
この等級制度は、上手に活用すれば保険料を節約する様々な方法があります。以下に挙げます。
同居の家族間で等級を引き継ぐ

等級は、同居している家族間なら引き継ぐことが可能です(等級の引き継ぎ)。
例えば「父親の20等級を息子に引き継いで息子の自動車保険料を下げる」という使い方ができます。
若いうちほど自動車保険料は高くなる傾向にありますので(事故率が高いため)、20等級は息子に引き継ぎ、父親は新しく契約し直して6等級から始めるというのも節約方法として有効です。
引き継ぎの具体的な手順については損保会社に「等級を引き継ぎたい」と相談すればアドバイスしてもらえるので、それに従えば簡単に行うことができます。
「セカンドカー割引」で7等級からスタートできる

上記で「父親は新しく6等級から始める」と述べましたが、実はこのケースでは7等級から始めることができます。
それを可能にするのがセカンドカー割引です。
これは、1台めの車の保険契約が11等級以上にある場合、2台めの車は6等級からではなく7等級から始めることができるというものです。
年齢条件しだいでは保険料が20~30%も変わってくるので、ぜひ活用したいものです。
車に乗らない間は「中断」で等級を維持できる

通常、無保険状態が13ヶ月続けば等級はリセットされ、例え20等級まで上がった人でもまた6等級から始めなければなりません。
しかし等級は「中断」の手続きを取ればそれ以上の期間、リセットされずに維持することが可能です。
等級の中断には以下の3種類があります。
種類 | 事由 | 中断できる期間 |
---|---|---|
国内中断 | 契約車両を長時間手放すケース | 10年 |
海外中断 | 長期間、海外へ行くケース | 10年 |
妊娠中断 | 妊娠したケース | 3年 |
無事故を長年続けて等級が上がった方なら、ぜひこの制度は覚えておきたいところです。
まとめ:正しい理解で保険料を節約
無事故を続けるほど保険料が安くなる等級制度。
少しずつ値上がりを続ける自動車保険を少しでも安くするために、正しく理解してなるべく上手に活用することを心がけたいものです。
また、節約を考えるなら保険代理店を通さないインターネット自動車保険(ダイレクト自動車保険)への乗り換えを比較、検討してみることも有効です。
当サイトでは各損保会社の比較レビュー、ランキングづけも行っておりますので、ぜひそちらもご参照ください。